優緋の部屋

日々の出来事、想うこと、信心について、二次小説、短歌などあれこれ

ミンジュの後悔

運命の1998.10.13


私は、自ら死を選んで飛び降りた。

必死に説得するインギュの言葉も聞かずに。

 

私の魂が肉体から抜け出て漂っているのか、私を抱きしめて泣くインギュの姿が見える。

 

走ってやって来たシホンにインギュは、

「僕が殺した」と言った。そして、

「ミンジュは、楽になったよ」とも。

 

インギュ、違う!
私が間違ってた。

 

シホンに優しくして欲しくて、
ジュニの振りをしてでも
好きでいて欲しくて、

嘘をついた。

 

ジュニの記憶を通して、
私は全て知っていたのに。
この後インギュやシホンが
どんなに苦しみ、死を迎えるか。

 

ジュニの言葉に耳を傾けることなく、

私は自分の今の偽りの幸せだけを
求めてしまった。

 

シホンの事をほんとうに好きなのなら、
彼が死なないように、
インギュが不幸に陥らないように
するべきだった。

 

私は、
自分だけが不幸で苦しいと思い込んで、
生きることから逃げてしまった。

こんなにも、
私を愛してくれている人がいることが
見えてなかった。

 

ゴメンね、みんな。

私の死から、周りの人の
全ての不幸が始まってしまった。

 

母や弟、叔父を泣かせ、
インギュを殺人者にしてしまい、
インギュのおばあちゃんを孤独にし、
大好きだったシホンを
バス事故に遭わせてしまった。

 

全て、私の身勝手な死から始まったのだ。
ジュニが必死に訴えていた事が
やっと分かった。

 

ハン・ジュニ、
もう一度私の身体に入って、
全てをやり直して欲しい。

シホンもインギュも私も救って欲しい。

 

そうすれば、
ダヒョンも死なずに済み、
チャニョンも人を殺さず、
チャニも心を病むことはないはずだ。

 

お願い、ハン・ジュニ。

もう一度だけ私の中に来て…。