優緋の部屋

日々の出来事、想うこと、信心について、二次小説、短歌などあれこれ

『いつかの君に』の感想と謎の数々

2023.9.30の記事


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ネタバレ盛大にしてますので、未視聴の方で内容を知りたくない方はパスしてくださいませ。

(散々二次小説載せてから言っても遅いが…)

 

韓国ドラマ『いつかの君に』
ただ今8話視聴中。

 

8話は、ナム・シホンが2002年に一時帰国した時にバスでの事故に遭い、その魂(意識)が2007年に友人との旅行中に交通事故に遭ったク・ヨンジュンの身体に入って、クォン・ミンジュの叔父(カフェ27オーナー)に再会して、これからジュニの居る大学に入ろうとするところ。

 


9/8にNetflixで公開されたばかりですが、
もう、何周目?
たぶん、もう既に5,6週目です。


見終わると、また見たくなる中毒性がありますね。


途中、アン・ヒョソプさん主演の
『社内お見合い』も2回見てるので、

今月は、

七海ひろきさん<アン・ヒョソプさん

って感じになってます。
かいちゃん、ゴメン。浮気中です。


なにせ、『タイムトラベラー』

(『時をかける少女』原作)世代ですので、

(NHK少年ドラマシリーズで見てます。

もちろん、原作本も読んでます。)

タイムスリップ物は、“大好物”ですね~。


時空を超えて出逢うふたりは、

恋に落ちても最後は別れなければならない。

歴史を変えてはいけないから。
立ち去る者が、現在に残る人の記憶を消してゆく。切ない別れ。


これが、たぶん今までのタイムスリップ物の基本パターンというか、大原則だったと思うんです。

 

“歴史を変えてはいけない”


ところが、この『いつかの君に』は、
これをものの見事に打ち破ってくれました。


 過去を変えるために、何度も過去へ行く。

ただ、時空を超えるのは、魂(思考?意識?)だけで、

その時代に生きている“同じ顔の人”の肉体に

魂(思考)が入ることでタイムスリップするという、

この点も新しい(私は初めて見る)。


2023年と1998年の場面が交互に出てくるので、

初見の時は、??になりそうになりながら、見ました。
よく見てないと、混乱する。


しかし、非常に良くで来たシナリオだと、

どうしたらこんな発想が出来るの?と言うくらい素晴らしかった👏👏👏


肉体は時空を超えてないから、ふたりの

ナム・シホンが話すという場面もあって、

初見の時は?になりました。


ナム・シホンの魂が、ああなって、こうなって、

だからふたりのナム・シホンが居る訳だ、

と納得するまで少々時間がかかりました。


それにしても、俳優さんたちの演じ分けの技が凄い!

ちゃんと、微妙な違いをつけて違う時間、

別の人物と分かるように演じ分けてる。

素晴らしい演技力です。


アン・ヒョソプさんの切ない眼差しにやられました。


 主なキャスト3人の初々しい高校生姿も違和感なく、

大人になった時と違う多感な心の動きの表現も良かったです


結局、ジュニが恋したのは、最初から最後までシホンだったんですね。
幼い頃の初恋が、紆余曲折を経て実った感じ?でしょうか。


ミンジュとインギュはどうなるのかな?
ヨンジュとテハは、やっぱり自動車事故で死んじゃうの?とか、

その後どうなるのか、

メインのふたり以外も色々気になる、

二次小説が書きたくなるドラマです。

(結局書いてます。)


しばらく、アンヒョソプさんの笑顔と切ない眼差しから

離れられそうにありません。


余談ながら、ミンジュ程じゃないけれど、

私も友だち作りが下手で、学校時代も、

大人になってPTA時代も、友だち少なかったので、

少し気持分かるなぁ。


私の場合、最初の一歩というか話しかけるのが苦手で、

しゃべるのは嫌いじゃない(というか、しゃべりすぎ)ので、

中々信じてもらえないんですが、人見知りで、結構内向的です。


ミンジュもクラスメートに「話しかけづらい」とか言われてましたけど、

私もそういうオーラ(話しかけるな、寄るな)出してたようです。

本人、そんなつもりないんですけどね。


シホンみたいに、気軽に話しかけてくれる

男子もいなかった。いや、いたけど、
あくまでも友だち。でしたね。


ところで、ドラマの中でいくつか謎ときしないまま終わったことがあります。


・カセットテープを聞いてもジュニが1998年に戻れなかった。
「何か条件があるのかも…」と言いながら、結局その条件は分からないまま。


でも、あのプレーヤーはシホンのだから、

アメリカに居た時だって聞いていると思うんですよね。

でも、その時もタイムスリップしてない。


・インギュが「僕が殺した」と“自白”します。

でも、「突き落とした」と言ったとしても、

動機が不充分ですし(シホンと探していたんですから)、

状況を捜査すれば、“殺人”で起訴されるのは、

捜査が杜撰ではない?と思う。


それと、自分が殺したと自白すれば、
ミンジュの希望(いい子として覚えていてもらえる)は叶うけど、

大切な家族であるおばあちゃんが独りきりになり、

殺人犯の祖母と肩身の狭い思いをするし、

きっと食堂だって上手くいかなくなる。
手伝っていたシホンもすぐアメリカに行ってしまうのに。

 

チャニ(チャニョク)は、逃げる時注射器を放り投げているし、

新聞記事にも“証拠として押収した”と出てるのに、

持ち主を特定しなかったのか?


・“クラスの美人”女子生徒の殺人事件は、

どうなった?


・チャニョクが兄のチャニの中に入っている時は眼鏡をかけてないのに、

誰も不思議に思わない?

 


インギュの気持は不可解な部分があります。

シホンを友だちと思いながらも、
やっぱり引け目があったのかなぁ。
(人気者で誰とでも仲良くできるのに、
自分に同情して仲良くしてくれてる。と)


ミンジュへの好意>おばあちゃんへの家族愛 

は、韓国ドラマとしては、ちょっと納得がいかない。

自分が刑務所に入っている間におばあちゃんが病気になって、

亡くなったとしても不思議はないお歳だし、

孫が殺人犯なんて優等生だっただけにショックだろうし。


それと、シホンを騙してミンジュと同じ場所で自殺するなんて、

残されるシホンのことを考えてない。


ミンジュを自分だけの物にしたいという

チャニョクと似たような気持ちがインギュにも感じられる。


シホンはチャニョクに殺されてしまうし、

12話(最終話)の途中まで、私の好きでないパターンなの?

(主たる登場人物皆死んで悲劇で終わりました。的なやつ)

と思いながらも見ていると、

空港でヨンジュンがシホンと出会い、携帯と指輪を託して、

死ぬと分かっていながら飛行機に乗る所から過去が変わっていく。


高校生時代の楽しい思い出も、

大学で知り合い同棲した幸せな時間も全て消えていく。


最後のデートをしているシホンとミンジュ

(ジュニ)の身体が消えていく場面も、
同棲していた部屋の中が消えていき、

ジュニの指輪も消え、ジュニ自身も消えてしまう。
シホンの部屋のジュニの記憶も、絵も消えて、

記憶も消えてしまう。


それでも、シホンとジュニは、また出逢う。

記憶はなくても、心が覚えている。

 


題名の『いつかの君に』
主語も述語もない。


あのプレーヤーで音楽を聞きながら、
“あの時の君にもう一度会いたい”
そう強く思った時に過去に飛んでいるのだと思う。


ジュニが音楽を聞いても過去に行けなかったのは、

隣にシホンがいて、“過去を変えるために行こうとしていた”から。


チャニョクも、もういないと分かっている
“ミンジュに会いたい”と思っているから、

過去へ行けた。


シホンは、ミンジュが死んだ後やアメリカに行ってから

あのカセットは聴かなかったんじゃないだろうか?
もう、会うことのないジュニを思い出したくなかっただろうし。


あの一時帰国は、2002年だから、

シホンは、大学生か飛び級で大学を卒業したタイミングで、

インギュやミンジュの叔父、インギュの祖母に会うために、

そしてもう戻らないつもりで来たのではないか?


シホンがアメリカに移民する時、ひょっとしたら、

まだインギュの刑は確定してなかったかもしれない。
シホンは、インギュの事を心に残しながら、

インギュは、シホンに心を閉ざしたまま、

韓国を離れたのかもしれない。

 


ミンジュが助かって、過去が変わり、

2023年のジュニは過去へは行かない。


ミンジュも自分が独りではなく、

インギュや家族、自分を思ってくれる人がいることに気付く。

シホンがアメリカに行ってから、

きっとふたりは付き合うんじゃないかな。
お互いの痛みを分かり合える、分け合えると。

同情ではなく、同苦できる相手として。


最後、どうやらシホンはアメリカから戻り

小さい会社を立ち上げて 代表を務めているらしい。


帰りのバスの中で、懐かしい曲を口ずさむ

女子大生(?)に目がいく。
同級生のミンジュに似た女性。
その曲は、なぜか聴くと胸が締め付けられるような気がする。


視線を感じたのか、その女性が振り向く。
「クォン・ミンジュ?」
「いいえ。」
「スミマセン、同級生に似ていたので。」
「いえ…」


その女性は前を向いてしまい、次のバス停で降りていった。


バスは走り出して、また直ぐ止まった。
「スミマセン、僕も降ります。」そう言ったのだろう。


シホンはバスを降り、女性の後を追った。


シホンが声をかけて女性が立ち止まって振り返り、

向き合う場面でドラマは終わる。


あの女性は、昔お餅を買ってあげて、一緒にゲームをした、

小学生だったジュニが美しく成長した姿だろう。


時を経て、ふたりは“約束”通り再会したのだ。


やはり、ハッピーエンドが好きな私。
ふたりは、きっと幸せな未来を築いていくだろう。


このドラマで、色んな姿を見せてくれた
アン・ヒョソプさん。
笑顔のシホンももちろん素敵なんだけど、

実は、40代でインギュの死を止められず絶望しかかりながらも、

なお過去を変えて皆を救おうとしている

ボロボロのシホンが一番好きだったりする。


2002年に大ケガをして、一年以上のリハビリに耐え、

インギュの祖母を見送り、インギュの死を止められず、

そして20年間ジュニを陰からずっと見守り続けていたんだろうなぁ😭


続き、見よう…