1989.2.14
第十二回全国青年部幹部会
汝の魂の真実に生きよ より
✨ 創価大学大学院の出身である
兵頭信二君と、古代ギリシャの哲学者
哲人と大衆、
師弟のかかわりついて
スピーチさせていただきたい。
✨ ソクラテス(紀元前四六九〜三九九年)
プラトン(紀元前四二八〜三四七年)
知らない人はいないほどの大哲学者
ヨーロッパ文明の一源流は、
この師弟に発するといっても
過言ではない。
今なお、ソクラテスは
「人類の教師」として
たたえられている。
✨ 当時のアテネ
黄金の古代文明の栄えた中心地
輝かしい「理性」と
「民主主義」の都
そのアテネで、
理不尽きわまる
中傷の歴史が起こった
✨ アテネはすでに
「衆愚政治」に陥おちいっていた。
市民は、優すぐれた人物が現れると、
尊敬するどころか、
嫉妬ゆえに、
悪口し、
足を引っ張った。
✨ ソクラテス
だれよりもアテネを愛し、
アテネに尽くした
真の愛国者
当代随一の「知恵」と「正義」の人
プラトンいわく
「最も正しい人」
✨ その人は、
絶えず人々の笑いものとされ、
あらゆる迫害にさらされた。
そして死刑の宣告を受け、
世を去った。
師ソクラテス七十歳、
弟子プラトン二十八歳。
✨ 「(陶片追放は)
人を凌しのいで偉くなった人々を
引き下げて喜び、
不満の捌はけ口を
こういう名誉の剥奪に求める
嫉妬心の軽減なのであった」
「(人々は)栄誉に対する嫉妬の事を
独裁政に対する恐れという名で呼んだ」
✨ 一流の人物、第一人者の存在を
認めない社会。
それが、次第に低俗化し、
二流、三流の人物によって
動されていくことは、
必然である。
アテネ市民は
自分たちの卑いやしい
″気休め″にすぎない中傷を、
「民主主義を守る」という
″体裁のよい″言葉で、
カムフラージュした。
✨ プルタークの眼に
アテネの風景は、
恐るべき退廃と
欺瞞の社会、
正邪が逆立ちした
転倒社会の暗黒として、
映うつったにちがいない。
✨ 御本仏・日蓮大聖人の御生涯も、
苛烈な迫害の連続であられた。
学会の歴史もまたそうであった。
ソクラテスをめぐる
アテネの歴史には、
現代にも通ずる
重要な教訓がある。
✨ ある評論家は、
テレビ時代における
知性の衰弱を嘆いた。
洪水のようにあふれる
情報過多の社会にあって、
何が真実であるかさえ
見えなくなっている傾向がある
ここに、現代の危機の
一つの側面がある。